『姑獲鳥の夏』京極夏彦

いったい何回読んでるのだろう。と考えながら読了。あまりにもメジャーになってしまっているし、一応ミステリなのでうまく内容についてもふれられない、散文にしかならないよ。
しかし、人間の脳というものはやっぱり信頼が置けぬ、と思う。作中で一番強くわたしの中に残るのは毎回決まって、ラストでもなく、謎(京極堂シリーズではトリックと呼ばれるものではないのだが)を紐解いていくところではなくて、京極堂の主人中禅寺秋彦の薀蓄で。

早い話、君がこの世に誕生したのはついさっき、ここに来る直前で、君はそれまでの記憶を一切がっさい持ったまま、ぽこんとこの世に生まれ出たのだとしても、今の君には区別することはできないじゃないか。違うかね

ここを読むといつも冷や汗が出る。あぁ。と。
その、信頼が置けない脳、というものと、夏のうだるような暑さが前面に押し出されている映画になればいいなと心から思うのです。