『へルタースケルター』岡崎京子(asin:4396762976)

あたしは絶対しあわせになってやる

じゃなかったらみんな一蓮托生で地獄行きよ

女はみんな、りりこであり、羽田である。
やせたい、かわいくなりたい、もっと、いいものを着たい、少しずつ自分を飾るものが増えていく、あの人に好かれたい、すかれるためになら。目立っていたい、目立ちたくない、みんなに見放されたくないから。美しく、居続けたい。そう。この物語には、見放されたくないがために起こる欲望のようなものがぎゅうぎゅうにはいっていて、普通だったら飛び出さないものが飛び出しちゃった、りりこの物語。
岡崎京子は、ひとりの、ひとりぼっちの女の子の話を書いていきたいと、言っていた。りりこは「ひとり」だ。恋人のボンボンも、違う女性と結婚する、りりこのファンも、「りりこ」が好きなわけではなくて「アイドル」「モデル」という記号が好きだ。事務所の社長を慕っているが、新しいモデルを引き抜いてくる。羽田も「ひとり」だ。「ひとり」のりりこのわがままを聞き、犯罪まで犯し、恋人もりりことセックスをする。りりこの妹も「ひとり」ひとりの女の子たちで、この漫画は溢れかえる。
女は常に「ひとり」なのではないか。と考える。恋人はいるよ。友達も少ないわけじゃない。だけどそういう女だって、ふたを開けたらひとりだ。そう。みんなひとりでいきていかなきゃいけないんだよ。

みんな何でもどんどん忘れてゆき
ただ欲望だけが変わらずあり そこを通りすぎる
名前だけがかわっていった