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私のお父さんには悩みがない。

意を決して父に相談事を持ちかけたのは、神保町のカフェ、と呼ぶにはあまりにもお粗末な食堂で、半分くらいカレーを食べ進めた時だった。

「仕事で悩んでるんだけどさ。自分が頑固なのはわかってるんだけど」

私は私の信念と、一般常識を持ったつもりで仕事をし、そこで小さないさかいをした先輩に謝るべきか、でも本音は全然謝りたくない。
しかし建前で謝らないと職場の雰囲気も悪くなる。だから謝ったほうがいいのかな、と思うんだけど謝ってそこで付け上がらすのも嫌だ。
というつまらないことでここ数週間悩んでいる。

「相変わらずお前はきついなぁ」
と父は笑って、そのあと相談されるなんてびっくりした。といった。
父曰く、今迄の人生で私は父に相談をしたことがなかったらしい。
何の相談もせずに高校を決め、大学を決め、職場を決め、引っ越しを決め、更には結婚も決めてしまったと。

確かに私は今まで両親に相談らしい相談をしたことはない。大学に関してだけは家計のことを考えて私立でも大丈夫か尋ねたことはあったけど、もしかしたらその程度だったかもしれない。
どうしたらいい?と聞くことはなかった。もう決めていることが前提で、親とは会話をしていた。

と過去のことを考えつつカレーを食べていたら、父から

「悩むくらいなら悩むことをやめてしまったらいい」
というまさかの相談回答が来た。


謝ったほうがいい、と自分で思ったのならパッと謝ったほうがいいし、でも謝らない、絶対に、という気持ちがあるのだったら謝らなくてもいいと思う。
あすなが考えて、いろいろな方向から見て、それでも自分の考えが正しい。と思ったらそれを貫きなさい。

だって漫画の主人公も、ドラマの主人公だってそうだろう。HEROの木村拓哉も自分が決めたことを貫いてる。そこに共感した人が木村拓哉に付いていくだろう?人が集っていく。半沢直樹だってそうだ。まぁ、半沢直樹は飛ばされたけど。
お父さんはそう思っている。

と父はコーヒーを飲んで、笑いながら最後に告げた。


「だからお父さんには悩みはないよ」


あはは、お父さん、私はHEROも半沢直樹もみていないからわからないけどなんとなくわかるよ。と笑ったあと、ひやっとした。そもそも私は、あまり悩まないのだ。悩まないと言ったら嘘だ、一応、悩んではいるが、その悩みが解決するの、ものすごい早い。今回はものすごいイレギュラー。イレギュラー対応。で、よくわかんなくなった結果、まさかの父に相談して、でた回答が
「悩まなきゃいい」



血だ。

この人の血を私はものすごく濃く受け継いでいる。


この日、父と私のものすごい血のつながりを感じる他の出来事もあったんですけれど、本当になんていうか、怖いくらいなのでブログでは小出しにしていきますね。ついったーにはスコーンと書いたけど。